中東情勢の影響に伴う医療機関の医療材料在庫・供給状況緊急調査
中東情勢の影響により、石油製品の原料であるナフサの供給に懸念が生じています。
手術用グローブなど、衛生材料メーカーでは欠品が出始め、医療機関への供給に支障をきたしかねない状況です。国はグローブの備蓄放出を表明しましたが、地域医療を面で支える診療所にまで供給がされるのか具体的な部分は不明です。また、サプライチェーン脆弱化により、ナフサ由来製品の値上げが始まろうとしています。
当会では、茨城県内医療機関におけるナフサ由来製品の在庫・供給状況等の緊急調査を実施しました。以下、調査結果を報告いたします。
【調査方法】
<実施方法> 茨城県保険医協会・会員医療機関に、FAXで調査票を送付。
※ FAXのつながる医療機関のみ調査票を送付。
※ 調査票はFAX・グーグルフォームで回収。
<調査期間> 2026年 4月 1日(水)~4月 17日(金)
<回答率> 送付件数:1,549 件 、 回答数:310 件
※ 回答率 20.01%
※ 回答医療機関・施設類型(下表参照)
| 医科診療所 | 歯科診療所 | 有床診療所 | 病院 |
|---|---|---|---|
| 57.3%(177/310) | 32.0%(99/310) | 5.2%(16/310) | 5.8%(18/310) |
【調査結果】
① 中東情勢の影響で不足が懸念される医療材料

- 今回の調査では、回答した9 割の医療機関でグローブ不足の懸念がある。
② 不足が懸念される医療材料・各医療機関での在庫状況

- 医療機関の在庫状況に目を向けると、グローブに関して「不足気味」・「枯渇」が63.4%を占めた。
- 各材料において、「充足」と回答した医療機関の中には、直近で入荷があったため「充足」と回答している医療機関も一定数みられた(次回入荷については未定)。
③ 不足が懸念される医療材料・業者等からの供給状況

- グローブに関して、各医療機関の業者等からの供給状況を確認したところ、約5 割の医療機関が「次回入荷時期未定」と回答している。
④ 石油由来製品の在庫・供給状況についてどのように考えるか

- 今回、調査に回答した医療機関のうち、7 割超の医療機関が「行政機関等に対策を講じて欲しい」と考えている。
当会では、今回の調査結果を受けて、「中東情勢に伴う医療材料不足や価格高騰への緊急対応を求める要請」を茨城県に対して行います。
医療材料の中でも、特に、医療用グローブに関する在庫不足、供給遅延が問題となりつつあります。現場で資材が枯渇しては、治療・検査等が行えない状況も考えられます。
医療材料の価格高騰は、公定価格(診療報酬)で運営される医療機関に大きなダメージを与えます。
医療現場からの意見等
【中東情勢による、医療現場の不安感】
- 材料費、光熱費共に上昇、薬剤の供給制限も可能性が高く、先行きが不安です。
- 今のところ影響は出ていないが、現在も経営的に苦しいのに、今後の業務継続に大きな不安がある。
- 今後の医療材料の在庫を安定させてほしい。
- 不足すると診療が回りません。
- 供給不足や値上げは困ります。
- グローブや手術用品の不足は困ります。
- 注射器の枯渇が心配です。
- クリニックより病院の手術室が困るのではないでしょうか。
- 保険診療は材料費の価格が高騰しても価格転嫁できません。
- 手に入りづらい事が問題ではあるが、それにより消耗品の単価が上がり経費を圧迫しかねません。
- 現状なんとか遅れても入荷しているので、今のところはと思いますが、コロナの時の様に全く入荷されなくなることがかなり不安です。
- 数的な不足も困りますが、経費高騰(値段高騰)による経営圧迫が心配です。
- 今のところストックで間に合っていますが、早期に情勢が安定して欲しいです。
【現場の実情】
- ここ数日で一気にグローブやマスクなど入荷困難となっていて(医師協同組合は全くないとのこと)、アス
クルなどに確認したりして在庫確保するのに苦労している状況です。 - ひとまず業者さんと相談しながら、ある物を代替品で対応していきたいと思います。
- コロナのときのように、マスクや手袋が入手困難となることが怖いです。少し備蓄しようとメーカーにTEL
したら、すでに品薄、入手困難でした。 - シリンジ、針、手袋が入荷未定であるが、採血等は必要なことなので、医療物資に影響が出ることがない
ようにしていただきたいと思う。 - 価格が上がってしまうのはやむを得ないが、入荷できないのが一番困ります。
- 手に入っても価格が高くなっているので、クリニック運営に支障をきたす恐れがある。
- 診療科によっては深刻な状況と伺っている。
- 緊急に購入したが問屋さんにも不足しており、すぐに入荷できないようです。今はどうにか足りています
が、紛争が長引くと欠品します。 - 小さな医院では都度頼んでいたものを、在庫を抱えようとも置いておく場所などにも限りがあるため、大
量に確保できず影響を受けやすいと感じます。安定供給のため何か策を講じてほしいです。 - コロナ禍における物資不足の経験から皆、買い占めに走っている状況かとも思われます。
- 紙エプロン、手術用ガウン、滅菌シートなどの紙類も入荷なしです。歯科的に一番困っているのは、浸麻
用カートリッジがない状況です。 - 以前より不足気味だった麻酔薬が中東情勢の影響により、さらに入手困難になっています。いつ無くなる
か、毎日ハラハラしながら治療にあたっているのが現状です。 - コロナ禍での教訓から、在庫は平時の1.5倍程度確保しています。薬などはうまく消費しないと期限切れ
で処分しなければならないため、余分な支出が増えています。 - 麻酔薬、グローブ、その他の薬品不足があり、診療する患者数を平時より減らしています。
- 3月中に注文したため、入荷・充足していますが、今後は不安です。
- 突然の入荷困難に備えて通常よりやや多く在庫保管している。医療材料の価格が上がることに負担を感
じている。 - 一部の危機感にかられた人の買い占めに迷惑している。
- コロナ禍と違い、ドラッグストアでマスク、グローブ、消毒用アルコール(医療用ではない)は販売している。
現場に材料が入ってこないのは、一部で必要以上に買い占めを行っているのではないでしょうか。 - カット綿やアルコール等、コロナの時のように買い占めがおきているようです。グローブ、紙エプロン、滅
菌バッグなどは供給がストップしています。 - 歯科麻酔薬が半年以上入ってこない状況です。
【希望すること】
- グローブ、マスクの補助を希望します。
- 日々の診療に不可欠な物なので対策を講じて頂きたい。
- 既に買い占めが一部見られるとのことで、不安を感じております。本当に不足しそうなもの、そうでないものを明示して頂けるといいかなと。又、不足しそうなものの買い占めに対する防止もお願いします。
- 業務に支障がないように安定した供給を求めます。
- クリニックが困らないよう、事前に策を講じて欲しい。
- 衛生材料の欠品などの不安なく、供給できるように対策をとってもらいたい。
- 今後不足する事態になった場合、診療所にも平等に物品が入荷するようにしてもらいたい。
- 現在、在庫はありますが、今後どのようになるか分からず不安です。早めの対策、ご検討をお願いします。
- 納入単価が上がっている。備蓄放出を。
- 供給が再開されても、値上げされる見込みと連絡があります。そちらに対する対策もお願いしたいです。
- コロナ禍でのマスク不足のようなことが起こらないように対応をお願いしたいです。
- コロナ禍で大混乱した時のトラウマか、過剰に反応して購入しようとして悪化しているのではないか?
- 冷静に対応して欲しい。それには正しい情報。常に在庫を充分に備えるよう留意してきた(特にグローブ)。
- SNS 等、メディアの情報により、情報が不確定。不確定ゆえに在庫確保を図る行為により物品不足が困る。正しい情報の伝達を。

