診療の予約におけるキャンセル料の自費徴収について

下記のような「予約料として費用を徴収しない無料の予約におけるキャンセル」については、そのキャンセル料は自費にて徴収することはできませんので、ご留意ください。

  • 内視鏡検査の予約におけるキャンセル
  • 疾患別リハの予約におけるキャンセル
  • MRI検査の予約におけるキャンセル
  • 歯科治療の予約におけるキャンセル  など・・・

解説

2026年度診療報酬改定にて「療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて」が一部改正され、6月1日から下記の事項については保険診療とは別に自費にて徴収できることが示されていました。

  • Wi-Fi 利用料
  • 在留外国人の診療に当たり必要となる多言語対応に要する費用
    • 通訳の手配料や翻訳機の使用料等
  • 予約に基づく診察の患者都合によるキャンセル料
    • 診察日の直前にキャンセルした場合に限る。なお、診察の予約に当たり、患者都合によるキャンセルの場合は費用徴収がある旨を事前に説明し、同意を得ること。
  • 予約やオンライン診療の受診に係るシステム利用料

このうち「予約に基づく診察の患者都合によるキャンセル料」について、前述した例のような「内視鏡検査の予約におけるキャンセル」や「歯科治療の予約におけるキャンセル」などにおいて、そのキャンセル料が徴収できるのではないか、といった情報もありました。

しかし、2026年5月29日に発出された訂正通知(※1)により「『 選定療養費(※2)における 』予約に基づく診察の患者都合によるキャンセル料」と文言が訂正され、また同日に疑義解釈も発出されました(※3)。

※1:厚労省 2026年5月29日発出「令和8年度診療報酬改定関連通知及び官報掲載事項の一部訂正について(抜粋)
※2:選定療養費とは、将来的な保険導入を前提とせず、患者の選択により特別の料金を支払うことで保険外の診療と保険診療を併用するもののこと。
  厚労省「保険外併用療養費制度について(選定療養費)」をご参照ください。
※3:厚労省 2026年5月29日発出「療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について

これらに伴い、キャンセル料が自費徴収できるのは選定療養費における予約料を徴収する予約においてキャンセルされた場合であり、前述の「内視鏡検査の予約におけるキャンセル」や「歯科治療の予約におけるキャンセル」などの予約においては、そのキャンセル料は自費徴収できないことが示されました。

まとめますと、キャンセル料が徴収できる条件は下記の2つを満たす場合であり、「予約料として費用を徴収しない無料の予約におけるキャンセルについては、そのキャンセル料を徴収することはできない」ことが明確になりましたので、ご留意ください。

  • 選定療養費として予約料を徴収することを、関東信越厚生局茨城事務所に事前に届け出ている医療機関であること(※4)。
  • 予約料を徴収する診療のキャンセルであること。

※4:関東信越厚生局「保険外併用療養費の報告」をご参照ください。ちなみに、茨城県で「予約に基づく診察」を実施すると届け出ているのは、13医療機関のみです(医科 13件、歯科 0件。2026.5.29現在)。

<補足> 予約に基づく診察を実施するにあたっては、下記の事項を満たす必要があります。

●予約に基づく診察に関する事項

(1) 予約診察による特別の料金の徴収については、当該予約診察が保険医療機関において対面で行われるものでなければ認められないものであること。

(2) 予約診察による特別の料金の徴収に当たっては、それぞれの患者が予約した時刻に診療を適切に受けられるような体制が確保されていることが必要であり、予約時間から一定時間(30分程度)以上患者を待たせた場合は、予約料の徴収は認められないものであること。

(3) 予約料を徴収しない時間を各診療科ごとに少なくとも延べ外来診療時間の2割程度確保するものとする。なお、この時間帯の確保に当たっては、各診療科における各医師又は歯科医師の同一診療時間帯に、予約患者とそうでない患者を混在させる方法によっても差し支えないものとする。

(4) 予約患者でない患者についても、概ね2時間以上待たせることのないよう、適宜診察を行うものとすること。

(5) 予約患者については、予約診察として特別の料金を徴収するのにふさわしい診療時間(10分程度以上)の確保に努めるものとし、医師又は歯科医師1人につき1日に診察する予約患者の数は概ね40人を限度とすること。

(6) 上記の趣旨を患者に適切に情報提供する観点から、当該事項について院内に患者にとって分かりやすく掲示するとともに、保険医療機関の受付窓口の区分、予約でない患者に対する受付窓口での説明、予約患者でない患者への番号札の配布等、各保険医療機関に応じた方法により、予約患者とそうでない患者のそれぞれについて、当該取扱いが理解されるよう配慮するものとすること。
また、原則として、ウェブサイトに掲載しなければならないものとすること。ただし、自ら管理するホームページ等を有しない保険医療機関については、この限りではない。なお、ウェブサイトへの掲載について、令和7年5月31日までの間、経過措置を設けている。

(7) 予約料の徴収は、患者の自主的な選択に基づく予約診察についてのみ認められるものであり、病院側の一方的な都合による徴収は認められないものであること。

(8) 予約料の額は、曜日・時間帯、標榜科等に応じて複数定めても差し支えないが、社会的に見て妥当適切なものでなければならないこと。

(9) 特別の料金等の内容を定め又は変更しようとする場合は、別紙様式3により地方厚生(支)局長にその都度報告するものとすること。

(10) 専ら予約患者の診察に当たる医師又は歯科医師がいても差し支えないものとすること。

(11) 予約診察を行う時刻は夜間、休日又は深夜であっても差し支えないものとすること。ただし、この場合には、当該予約患者については保険医療機関において診療応需の態勢をとっているといえることから、医科点数表又は歯科点数表に規定する時間外加算、休日加算及び深夜加算は算定できないこと。